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感想 牧田純 個展 「KIDS SEE DREAMS AND FORGET」

牧田純 個展

「KIDS SEE DREAMS AND FORGET」

 

会 期:2021年10月16日(土) - 11月7日(日)

時 間:木金 15時-20時  土日 12時-19時

   (最終日18時終了)

休 廊:月火水

場 所:WISH LESS gallery 

展覧会URL:https://wish-less.com/archives/8622

 


 

かわいい。

 

かわいい、というのはそれだけですごい強みです。人はかわいいに惹きつけられ、好きになってしまうもの。当サイトも、コンセプチュアルが過ぎる現アート界隈の状況に食傷気味になって、「見た目」をもっと重要視しようよ!という主旨でジャンル分けなどをしていたりします。

 

牧田さんの作品は文句なしにかわいいです。そして私は「ROCK」に分類しようと思います。

なぜか?

 



お気づきでしょうか?

 

ここに描かれている動物ちゃんたちは、誰一人として目を合わせてくれないんです。笑ってもいない。

 

中には牙をチラ見せしてくるコも。


以下は作家の牧田さんの言葉より抜粋

 

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私はグラフティに憧れたはずがストリートに縁がなく、

家でキャンバスに向かいペタペタと絵の具を塗る毎日を過ごしてます。

 

(中略)

そうして制作して行くうちに作品には、幼い頃どこかで出会った様な

動物達が現れはじめました。

それは大事にしていたぬいぐるみかも知れないし、絵本かも知れない。

拾った石かもしれないし、切られた木かも知れない。

 

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展示会場の片隅には少し汚れたぬいぐるみが置かれていて、絵の中の動物ちゃんがなぜ目を合わせてくれないのか、教えてくれているようでした。


 

小さい頃のこと。にっこりすれば大人は喜ぶし、でもほんとうに楽しいわけじゃない。別に嫌っているわけでもないんだけど、なんだかはずかしいし。噛み付くことだってできる、世界は自分を中心に回っている、でも目を合わせると考えていることをを見透かされそうでイヤだ。

今日は誰かを傷つけたかもしれない。もうちょっとうまくできたかもしれない。なんだか、哀しくなった。寝る前に親友のクマさんにきいてもらおう。

 

 

小さい頃の「自分だけの親友」は、媚びた作り笑顔なんかせずに、ちょっと困ったような優しい顔をしていませんでしたか?牧田さんの作品の動物たちは、観る人の心の中にいる幼い頃の自分自身です。それは完全にいなくなることはなく、長い間あえて会わずにいた親友と呼べるかもしれません。

 

 

自分自身の内にある純粋さの発露が「ROCK」だなぁと思います。

 

昔の自分に会いに行ってみてはいかがでしょうか?

 

展示風景画像:牧田純 個展「KIDS SEE DREAMS AND FORGET」

 


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