レイジロウ絵本出版記念展「DAYOFF」
会 期:2021年12月5日(日) - 12月12日(日)
時 間:14時-19時
場 所:reload 2-1 EVENT SPACE
(東京都世田谷区北沢 3-19-20 reload 内)
展覧会URL:https://www.instagram.com/p/CWc5GzZFMIE/
私がフォローしているIGアカウントのストーリーで投稿され、気になっていた号外新聞がありまして。
忍号、、、?NEW TOKYO POST?
よくわからないけど欲しい!
その後、RIVERSIDE CLUBに移動して新聞を広げるの図。カヌレプリンと共に(プリン自慢)。
絵本のあらすじも載っているこの新聞ですが、何ともかわいいキャラクターとかっこいい絵ばかり気になって、よく読まぬまま(こら)掲載されていた出版記念展に行ってきました。
ここのDAYOFF (休日) の言葉、励まされます。何もしなかった休日はざら。
ワオ!
再開発が話題の下北沢へ。結論から言いますと、平面作品、インスタレーション、映像と音、それぞれの演出が1つの世界観を作り出している、期待以上の展示でした。
車の中、登場キャラクターの2人(匹?)
正面の壁いっぱいの、日常の何気ない場面。
安全第一TM。アドバイスでも。
安全第一TM。相手を思う時も。
ずらっと並ぶこちらの作品はシルクスクリーン作品。Ed.50。
こちらの作品以外は手描きです。
キャラクター2人はDAILY WORKERS。絵本の中にもでてくるSTOREが再現されています。
いろいろ売ってます。
作品のリストがあるかと伺ったら、このSTOREの屋根からレイジロウ(ragelow)さんが取り出してくれました。何でも売ってる。
キャラクターのぬいぐるみも!
ノラネコのフリーター「まっくろくろちゃん」と、木のスキマで誕生した妖精「しろいまるぽわわ」です。
他、絵本の原画やレイジロウさんの過去の展示作品も多数。
ネオンが浮遊する演出も。
休日の、キラキラ、ウキウキ感。
随所に見られる "THINK OUTSIDE THE SYSTEM" という言葉。これは「体制の外側から考える」というレイジロウさんのテーマです(2017年 NEUT インタビューより)。俯瞰からの街の描写も象徴的です。
今回の絵本「DAYOFF」にはかわいいくろちゃんとぽわわ2人の、何気なく続く愛おしい日常が描かれていますが、この物語を取り巻く "THINK OUTSIDE THE SYSTEM" というテーマは同じ世界線にあります。体制を現実社会の仕組みと捉えると、例えば、進学・就職の話なら、日本では特にその段階に年齢まで指定されているように感じられ、飛び級も異質、留年、浪人も肩身が狭い、新卒が一番価値が高い、第二新卒までは何とか就職に有利、定職に就かないと一人前じゃない、等々があると思います。その社会通念を、このくろちゃんとぽわわの、ささやかで一生懸命な日常に持ち込むことを良しとする人はいないんじゃないでしょうか。とはいえ、誰もが世間と無関係でいられるわけもなく、レイジロウさんが描く、街の細密で荒涼とした描写の中にぽつんと現れた、もふもふの生命体が日々を生きている姿は、ギュッとして頬ずりしたいくらい愛しく感じます。社会の何かからはみ出したとしても、大切なものは日常の、自身が感じることの中にあり、自分がはみ出た体制を俯瞰してみれば、本当に守らなきゃいけないことはそんなに難しいことではない。
皆、とっくに大切なことには気づいていたけれど、どうにもできなかった常識の数々をコロナ禍によって俯瞰する機会を得た今、余計に刺さる展示だと思いました。
会場にはmaco maretsさんの朗読を含む映像作品がBGMのように再生されていて、こちらはYouTube上でも公開されています。許可をいただいたので貼らせていただきました。Chillです。
rtwork : DW.ync
Lyric: maco marets
-Amazing season/maco marets
Sound Director: Riki Azuma
-seasons change/small circle of friends
Recording Engineer: STUDIO75
会場では100冊限定おまけ付きの絵本の先行販売も。
チラ見せ。
ロマンチックな (と私は感じました) 文からくろちゃんとぽわわは恋人関係なのかな、と想像しますが、一緒にいることの条件は友達でも何でもいいですしね。
これは2人が初めて会ったシーンなのかな。
レイジロウさんは、16歳の頃に出会った友人2人と共にHATOS (ハトス) というクリエイティブチームを立ち上げ、中目黒での活動を10年、その他、車泊と野営によるスケッチや、移動式アート屋台によるストリートでのアートショウなど、感じた事を感じたままに表現されてきました。私が気になった号外新聞『NEW TOKYO POST』もレイジロウさんの発信ツールとして以前から活用されていたものでした。会場では号外新聞ももちろんもらえます。
新聞からYouTube、過去の作品から絵本、平面から立体インスタレーションと多様な表現で構成された世界にどっぷり浸かれる空間です。展示から離れれば、私たちも小さなくろちゃんとぽわわに戻ります。ぜひ、DAYOFFにChillく、足を運んでみてください。自分を俯瞰できるかもしれません。
展示風景画像:レイジロウ絵本出版記念展「DAYOFF」
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