AIが描いた絵とは?やり方などおさらい。
先日の山本捷平さんのレビュー記事で「AIに描かせた絵」のことを話題にしました。現在、AIが絵を描く時代が到来しています。とうとう来てしまったか、機械が人間を支配するディストピアめ。コンピュータが世に生まれた際に、絵を描かせることは比較的簡単にできると予想されていたにもかかわらず実際にはできなかった、というエピソードを聞いたことがあり、絵を描けるのは人間だけの特権と信じていたのに。
世を憂うのはほどほどにして、まずは簡単にやり方をおさらいです。
AIを利用して絵を描くアプリで最も話題になっている (2022年3月現在) 「Dream by WOMBO」を使ったやり方をご紹介します (スマートフォンの画面です)。
まずはアプリをダウンロードします。
こんなアイコンです。
スタート画面の+マークをタップ。
手描きで失礼 (当サイトは手作り感を大切にしています)。
こんな画面になります。
キーワードを入力 (絵のタイトルになります) 。
なんか適したキーワードないかな、、、?と悩んでいると視界の中にスーパーで買ってきた三元豚ロースカツ丼 (卵とじ) が。
とりあえず "egg" にしたよ。
次にart style (雰囲気) を選んで Create (作成) へ。
まずは1番はじめにあるPsychedelicでやってみます。
完成!
いや、意外に良いじゃん。Shareボタンで簡単にSNSにシェアできます。
保存もできる。
保存画面はこんな感じです。
著作権はどうなるんだろうというところでフワッとしてますが保存画面では「dream」製ということは主張されてますね。同じ条件でもう一度作成しても別の作品ができます。ということは、この画像を参考に絵を描いた場合、元ネタが「dream」とは誰にもわからないんじゃないかと思います。
Buy Print だと、、、?
Buy Print をクリックすると、購入ページに飛びます。フレーム入り、キャンバスプリント、ポスターなどから選べるようです。大きさも選べる。値段はそれぞれ違いますが、それほど高価ではないですね。
フレーム入り
キャンバス
ポスター
下にスクロールすると説明が書いてあったりサイズ選択ボタンがあったり。支払いには、Apple Pay、PayPal、Amex、VISA、マスターカード他、が使えるようです (私はこの作品「サイケデリックエッグ」を買うつもりがさらさらなく(苦笑) 、実際の購入はしませんでしたので商品のクオリティはレポートできずです、すみません)。
せっかくなので他のart styleでもやってみます。
と、次の style をみると、、、え? ジブリ? ジブリなの? ジブリと読めるよ!
ジブリ的にOKしてるんでしょうか、、、?
作成中の画面はこんな感じです。egg × ジブリ はいかに!
いやな予感しかない、、、
完成!どーん。
失笑。
何でしょうね、私がジブリに謝った方がいいのかな。トーストに目玉焼きではなく、飛行船に、、、卵?
飛ばねぇ卵はただの卵だ!
父さんは竜の巣の中で卵を見たんだ!
バカな!!入った途端に割れちまうよ!!
なんか本当にごめんなさい、、、。
アート好きには試してみたくなる style も。
バロック、S.ダリ、エッチング。
色んな意味で心配なのはS.ダリか。もはやジャンルなんですね。
Baroque
三角帽子かぶってる?真ん中の卵。バロックの意味することとは?笑。
S.Dali
やばいやばい、変なの生えてるし、浮いてるし、これ見て「ああ、ダリだね」とか言うスノッブいるのか? (注:Salvadorとは言ってないから! S.Dali だから!) 。
Etching
なんでエッチングだけ卵の中身なんだろう?
オプションを使ってみよう!
やはり "egg" が単純過ぎたのか、、、。もう少し複雑に、かつオリジナリティを出すためにオプションを使用してみます!
Input imageのSelect imageをタップするとカメラロールから画像を選べます。
インプットする画像はこちら。可愛いラテアート。
egg、ジブリ、ラテアートくまちゃん、でリベンジだ!
ラテアートエフェクトの度合いも選べます。とりあえずNormal 選択。
できました。
卵がハッキリ。ラテアートくまの顔が怨念みたいになりました。
お分かりいただけただろうか? トトロの森に紛れ込んではいけない。
これ、絵としての魅力、あるのかなぁ、、、。
友達や家族とわいわい楽しむと良さそうですね!
バンド名でやってみると?
何だか失敗続きでアプリに申し訳ないですが、どうしても試したいキーワードがあります。前述のレビュー記事内で話題に挙げた「Radiohead」です。
当サイトの「アートを見た目で音楽ジャンルに分類したらどうなるか」では、「ROCK」「TECHNO」「JAZZ」の3ジャンルに絞っているのですが、当初感覚で決めたこの3ジャンルについて、伏見瞬さんによるMikikiの記事「レディオヘッド(Radiohead)『Kid A Mnesia』論――不器用な歌詞と音楽的冒険の同居が生んだ〈不機嫌〉なアルバム」の下記の部分を読み、
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今回、『Kid A Mnesia』とセットで新たに名付けられた、かつての双子アルバム『Kid A』と『Amnesiac』にも、詩的な不格好と、音の冒険力はふんだんに込められている。衆知の通り、電子音楽とジャズの影響が、ロックバンドのフォーマットを超え出た二枚だ。
(「レディオヘッド(Radiohead)『Kid A Mnesia』論――不器用な歌詞と音楽的冒険の同居が生んだ〈不機嫌〉なアルバム」(Mikiki)より抜粋)
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「音楽ジャンル分けの時にROCK、TECHNO、JAZZにしてしまったのは潜在的にKID A (Radioheadのアルバム) からの影響があったからなのかも。」と勝手に納得した経緯があり、AIに「Radioheead」を描いてもらったらどうなるのか試したことがあるのです。
プレイリストのつぎはぎのような画像から、私はこのAIによる描画には魅力を感じなくなりました。求めているのはそれじゃない。
リベンジです。上記の画像制作は2022年1月6日でした。AIは、プレイリスト画面のつぎはぎから表現を脱却させることができたのか?
早速やってみましょう。
お?前回とは違いそう。
キーワードは "Radiohead" 、styleをPsychedelicにして実行しました。
完成!おお!文字みたいなのはあるけどアルバム『Hail To The Thief』ぽさがある。
怖いもの見たさで、styleをS.Daliに変えてやってみます。
それっぽい。今日イチそれっぽいのができました! (私見)
さすがAI、というべきか、2ヶ月ちょっとの間にもイメージを近づけることができているようです。
結論:AIが絵を描いた?
今回改めてレポートしてみたところ、この「Dream by WOMBO」というアプリはとても楽しいものと再確認しました。途中から本当に楽しんでやってしまった。
ですが個人的には、キーワードを入力したり、art styleを選んだり、という過程には、操作する人間の意志や、「こういう結果が欲しいかも」という期待があるような気がします。結局は人の「表現したい」という欲がなければ生まれないもの。AIが描いたというよりは、AIを道具にして人間が描いた絵、という域を出ないのではないでしょうか?
個人的には作家のパーソナルな感情やフェティシズムが感じられる作品に強く惹かれます。どこかに「人」を感じられるものに心打たれるのです。AIがそのような人間臭さを備える日が来るのかどうか、当面は静観していたいと思います。
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