独自の情報を得るには自分なりの切り口を見つけることが重要
こちらの一冊は、代官山蔦屋書店の10周年記念内イベント「代官山デザインデパートメント」にて偶然手に取りました。PPAPERS (ペイパーズ) と読みます。表紙と同じく、誌面もピンクの紙にブルーの印刷でプリントされており、こだわりのあるマガジンです。
アート情報サイトを始めて数ヶ月ですが、独自性を出すために情報のアンテナをどこに張るのか、ということがけっこう重要で、これがなかなか難しい問題をはらんでいます。なぜかと言うと、今はツイッターでもインスタグラムでもアート情報が溢れていて、自分の好みで「いいね❤️」をすればAIが似たような情報を集め、単純に情報が偏ります。好きそうなものを集めてくれるのは便利ですが、情報に対しては偏りなく公平に触れたいというのが本音です。
サイトをやっている、とか、アートコレクターだ、という方に関わらず、予想できる「自分が好きそうなもの」は感動が薄れるし、広く違う世界を知れることがインターネットの魅力の一つとも思うので、情報の勝手な選別はありがた迷惑になっている側面もあります。
結果、独自の情報を得るには自分なりの切り口で探すということが鍵になってきます。こちらを発行しているPWA (Progressive Workers Association) は変わった人、極端な人、独立した人のための普段着を提案するレーベルです。インスタグラムを見るとシンプルな服が並んでおり、「個性は服に宿るのではなく人間に宿る」というコンセプトの一つが感じられます。PPAPERSは不定期に発行されるオムニバス・アート・ブックで、一つのテーマに基づき、PWAのコンセプトに共感する人々の作品をキュレーションして一冊の本として形にしている、とのこと。手に取れる展覧会です。
ISSUE 01のテーマは "FREEDOM"。34名の、アーティスト、写真家、ミュージシャン、俳優、コーヒーロースター、農家、さまざまなお店を持つ人、等が表現を提供しています。
ビジュアルのみのページが続いた後の巻末にはコントリビューターのコメントとインスタグラムアカウントが掲載されており、気になる人を見つけたらアクセスできるのも情報としてありがたいです。
別の例になりますが、スウェーデンにあるLOYALギャラリーは同名のアートマガジンをきっかけに設立されています。前述のインターネット情報の偏り問題も相まって、アートマガジンが以前より明確なキュレーションを行うことで、誌面上の展覧会という役割が広く認識されることもあり得るかと思います。
代官山蔦屋でのイベントは終了しておりますが、PPAPERSが気になる方はPWA Onlineにて購入可能 (2022年1月6日現在)です。
各コントリビューターさんの表現はもちろん、アンダーグラウンドな雰囲気と、ピンクとブルーの誌面に刺激をもらいました。私もかっこいいサイト、目指します。
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