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感想 emori takeaki solo exhibition "group exhibition"

 

emori takeaki solo exhibition

"group exhibition"

 

会 期:2022年2月9日(水) - 2022年2月20日(日)

時 間:14時-19時

休 廊:月火

場 所:VIVA Strange Boutique

展覧会URL:https://www.instagram.com/p/CZtYGupPFjA/

 


 

バンド公認のオフィシャルアパレルの制作、販売を通じて、新たなカルチャーを発信しているVIVA Strange Boutiqueさんにて、フォトグラファー/グラフィック・デザイナーの江森丈晃さんによる、グループ展のような初個展「group exhibition」が開催されました。

 

江森丈晃さんは1972年生まれ。音楽誌の編集者/ライターとして働く傍ら、Apple PowerMac G3と出会いエディトリアル・デザインを開始、2010年の自著『Homemade Music 宅録〜D.I.Y.ミュージック・ディスクガイド』の制作を機にCanon EOS 5D Mark IIを購入、以来、写真とグラフィック・デザインを中心に活動。こだま『夫のちんぽが入らない』、加藤シゲアキ『チュベローズで待ってる』では書籍装丁を担当し、音楽を基盤としたニューコミュニティ、禁断の多数決の初期CDでは自らの写真をベースにデザインを、Awesome City Clubには写真を、長谷川白紙にはデザインを提供するなど、多くのプロジェクトを通じて作品を世に発表されています。

 

AppleのPowerMac G3と言えば、1999年1月にBlue & Whiteのカラーが発売され、スケルトンボディが画期的だったモニター一体型 iMac G3のBondi Blueのようなカラーリング、USBポートなどを初めて搭載したタワー型PCとして話題になりました。当時のMacのBondi Blueカラーがなければ、一生PCに縁がなかったかもしれない、という人がいるくらい、あのカラーリングは衝撃でした。PowerMac G3とAdobe illustrator、Photoshop (とセンス) があればグラフィックデザインが誰でも可能になった、グラフィックデザインのある種の民主化に一役買ったPC、という印象です。

 

(江森さんのPowerMac G3がBlue & Whiteのカラーかは定かではないですが) PowerMac G3との出会いからエディトリアル・デザインをはじめられたという経緯、そして、フォトグラファーとしての活動のきっかけとなった江森さんの自著『Homemade Music 宅録〜D.I.Y.ミュージック・ディスクガイド』での「宅録」「D.I.Y.」というキーワード。パーソナルな表現によるデザインの民主化、音楽の民主化。シンプルに自分がかっこいいと思うものを作ればいい、ということを体現されている作家の一人が江森さんである、と感じました。

 

展示風景画像:emori takeaki solo exhibition "group exhibition" VIVA Strange Boutique 2022

「flame paintings」

展示風景画像:emori takeaki solo exhibition "group exhibition" VIVA Strange Boutique 2022


本展で展示されている写真作品は見本となっており、購入希望の場合は額装ありの大小フレームを選択、または、額装なしの4サイズより選択することができます。いずれもエディション・ナンバーが入ります。

 

「considered also shooting a black-on-white crime but the models were noisily thirsty for a beer」

額装見本 (大) 。ちょっとドキッとする写真ですが、「血糊の味が思ったより美味しかった」というナイジェリア人モデルさんのエピソードが江森さんのIGに載っていますので、安心してください。「blackによるwhiteへの犯罪も撮ろうと考えていたがモデルがビール飲ませろとうるさかった」ということみたいです。

 

額装見本 (小) 。


 

色の美しさ、構図のかっこよさがもちろん魅力ですが、ドキッとするような毒のあるビジュアルが一瞬にして人を惹きつけます。

 





マスキングテープの絶妙な配置や、蛍光色のペーパーにプリントした作品に重ねるようにマウントした展示等も江森さん自身の手によるものです。

 


上2作品:「modern religious images」


 

また、コラージュ作品も展示されています (こちらは額装込みの価格が決まっています) 。

 

「analog collage」



「TPAOLIKSIONNG/HlEoAoDkSw/hraetmtahienciantldirgahgtged」

 

「TPAOLIKSIONNG/HlEoAoDkSw/hraetmtahienciantldirgahgtged」(部分拡大)


 

ドローイングも展示されています。こちらもまた別の雰囲気がありながら、そのままレコードジャケットになりそうです。

 

「color drawing」


本展の写真集も販売。ドローイング作品も小冊子として付属しています。


 

本展「group exhibition」は神宮前のkit galleryさんでも同時開催されています。展示レイアウトの違いで別の鑑賞体験ができ、コラージュやドローイングの別作品もあるので、あわせて鑑賞するとより楽しめます。編集が変わるとこんなに違って見える。2会場合わせて、写真、コラージュ、ドローイング、エディトリアル・デザインと一人何役もこなす江森さんの活動を存分に表現した展覧会でした。

 

展示風景画像:emori takeaki solo exhibition "group exhibition" kit gallery 2022

「haven't met yet」



 

惹きつけるビジュアル、考えさせられる被写体、何よりもシンプルにかっこいい。

 

ぜひ、足を運んでみてください。

 

 

 

タイトル表記なしの作品はuntitled


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