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感想 YOSHIHIRO MADACHI retrospective exhibition 2022 "JUST MOVE ON UP! - BACK TO THE WORLD –"

YOSHIHIRO MADACHI retrospective exhibition 2022

"JUST MOVE ON UP! - BACK TO THE WORLD –"

会 期:2022年3月2日(水) - 2022年3月15日(火)

時 間:平日・土 8:00-22:00 /

    日・連休最終日の祝日 8:00-21:00

   (3月15日(火)は19時終了)

場 所:VINYL GALLERY

展覧会URL:

https://vinyl-store.jp/event/yoshihiro-madachi-retrospective/

 


SNSで拝見した「&'n'&」という作品。エロティックなテーマですが「&」という記号が本当に人のように見え、興味をそそられ、展覧会に足を運びました。

 

本展は、2021年3月に逝去されたグラフィックデザイナーの真舘嘉浩さんのトリビュート作品展です。真舘さんは1963年生まれ。アナログデザインの時代より書籍装丁、音楽ジャケット、ロゴデザイン、プロモーションなど、ジャンルを超えて活動して来られました。渋谷・宇田川町にあるマンハッタンレコードのロゴなど、真舘さんの作品を見たことがある方も多いのではないでしょうか。

 

1985年にはグラフィック・デザイン・スタジオ「WATERS/ウォーターズ」を設立、1999年にはより自由な創作の場を求め「ORGASMO/オーガズモ」としての活動を開始、2000年より多くの個展、作品展示をされています。

 

 

私的なことでは、つい最近「Technics ミニチュアコレクション」(2020年11月下旬発売) のガチャを大人買いしていたのですが、そのパッケージデザインも真舘さんの手によるものと知りました。本当に身近なところで作品に触れる機会があった方なのだなぁと改めて感じています。

 

観ているだけで、元気が出る作品の数々。

「AOR#1」

照明がちょうど水平線に沈む夕陽に見えます。

左:「AOR#2」

右:上より「Sexy Design」「Sexy Ideal」「Sexy Planet


「Sexy Smile」「Sexy Life

レコード盤の作品かっこいい。デザインの力ですね。

「芝浜」(非売品)

これは、、、JR山手線の品川〜田町間にできた新駅の表示ですね。実際には「高輪ゲートウェイ」になってしまいましたが。「芝浜」は古典落語の演目の一つだそうで、あらすじを読んでみましたが、けっこう、うるっとくる、とてもいい話でした。


「2inch HARD BANANA」

「ORGASM SUSTAINER 2」

エフィクターのフットスイッチ部分がお尻の形になってる。色々と深読みができますね。


 

私がSNSで見た「&'n'&」のシリーズは下記です。額装込みで販売。

「&'n'& #1」

「&'n'& #2」


「&'n'& #3」

左:「&'n'& #4」右:「&'n'& #5」


 

やや大人仕様ではあるのですがどの作品もユーモアに溢れていて、陽気な気持ちになります。

 

真舘さんはタイポグラフィに並々ならぬ情熱を注いでいらしたそうです。文字の配置「だけ」と言っては失礼に聞こえるかもしれませんが、その「だけ」の部分でこれだけ人を楽しくさせるのがすごい。

 

「Red Garamond Italic」(非売品)

「Gappo Gappo de U'ci, ci,」(非売品)

フランスのおしゃれカフェのサインかと思った。ガッポガッポでうっしっし。


「水組謹製 縁起言霊招福米俵」

水組とは真舘さんの設立した「WATERS」のことでしょうか。VINYL GALLERYさんで2020年12月より開催された「招福熊手展」に寄せられた縁起のいい作品。言霊のご利益ありそうです。


「My jelly amour」(非売品)

セクシーくらげ。

「My jelly amour」(非売品) (部分拡大)

アクリル板に穴が開いていて影が写ることで立体的に見える作品です。


 

こちらの「My jelly amour」をリソグラフプリントしたA3サイズのポスターが販売されていました。

こちらについては、真舘さんのお嬢さんでThe Wisely BrothersのGt.Vo.である真舘晴子さんのツイッターによると

 

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4色リソグラフのポスターは生前、作るのを楽しみにしていたもの。

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とのこと。お値段も手頃で、色もとても綺麗です。

 

 

 

ハッキリとしたカラーで洗練された印象の真舘さんの作品は、未来的でインダストリアルな印象もありますが、クラシカルなインテリアに合わせると最強にかっこいい。

「RELACOES SEXUAIS COM IDEIA」(非売品)


「アイデアとの性的関係」。この作品は額も込みの仕様です。タイトルの通り、アイデアとの関係が濃密で良好でセクシー!と感じました。

 

 

グラフィックデザインの主軸にあるものは、レイアウトのセンスなのかと思っていましたが、根源にはアイデアがなければならない、と改めて気付かされた気がします。「&'n'&」の作品に私が惹かれたのも、その発想が面白いと思ったからです。アイデアはその人の考え方、生き方から生まれます。作品を観るだけで、人を明るく、楽しい気持ちにさせる真舘さんの素晴らしい人柄が窺える展覧会でした。

 

会場ではグッズも豊富に販売されています。グッズもかっこいい。足を止める方も多くいらっしゃいました。



 

デザインの力ってすごいもので、自分がかっこいいと思える物を所有するだけで気分が高揚します。様々な人に愛された真舘さんの生きた哲学が、かっこいいデザインに盛り込まれています。生きることへのポジティブなパワーをもらえた展示でした。

 

ちょっと心に元気がないなという方はもちろん、元気だよという方も、前向きなパワーをもらいにぜひ足を運んでみてください。

 

 

 

展示風景画像:YOSHIHIRO MADACHI retrospective exhibition 2022 "JUST MOVE ON UP! - BACK TO THE WORLD –"


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