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石部巧 chappy 2人展 「Intentional failure」
会 期:2022年3月19日(土) - 2022年4月3日(日)
時 間:13:00-20:00 (火のみ11:30-)
休 廊:水
場 所:Ceramic & Gallery Cafe Pottari | ポタリ
展覧会URL:
亀戸アートセンター(KAC)を運営する石部巧さんとchappyさんの2人展がCeramic & Gallery Cafe Pottari (ポタリ) にて開催されました。以前にchappyさんの個展を紹介させていただいたり、石部巧さんが参加するグループ展を拝見したりしていたので、お2人の作品がどのように展示されてるのか興味があり、伺って来ました。会場のポタリさんでは1Fにて陶芸教室を開いていることもあり、企画展で招待した作家に作陶してもらうという試みも行われていました。
センスの良い古道具や植物に囲まれた空間。棚の上段に陶器の作品が並んでいます。
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石部さんの陶芸作品。インクをスキージで刷って地平線のような線を生じさせることで、風景画のように見える作品があることから、釉薬でも同じような工程を試したそう。確かに白黒の風景写真に見えます。
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紙の作品。映像のフィルムのようにも見えます。右下の斜めのカットに額も合わせているこだわり。
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chappyさんの陶芸作品。手による成形と、磨きの工程を多く取ることで、滑らかな表面を持った味のある作品に。
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ポタリ2Fにある会場はカフェスペースにもなっていて、ナチュラルな雰囲気と、少しSFの印象も受ける2人の作品が見事に合っていました。
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石部さんは昭和後期の時代に日本でよく建てられた一般的な家屋に魅力を感じるそうです。他の国でもあまり類を見ない建物、とおっしゃっていました。その建物を描き、塗り、刷る、切る、剥がす、転写するなどの工程を経て、ノイズが加わった独特な作品を制作されています。
chappyさんは上下左右に手を動かすスクラッチという動作で作品を制作されています。このスクラッチには描く、削る、消す、磨く等が含まれています。
制作の過程に様々な動作を経るという共通点のある2人ですが、完成した作品は違った表情を見せます。違っていながらも並んで展示されると調和していて、モチーフの角張った輪郭や、石部さんの縦横斜め引かれた線とchappyさんの格子状の線などに共通点も感じます。
亀戸アートセンターの前身であるsngk gallary の建物。
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建物を彷彿とさせるchappyさんの作品。
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設計図の印象も受けます。
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並べて飾るとSF感を感じませんか?
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石部さんの作品の部分拡大です。剥がす、転写するの過程で紙の繊維が混じることにより、アナログの工程でしか出せない作品の妙となっています。
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こちらの作品は剥がした元の方の作品とのことです。こちらの雰囲気もいいなぁ。
以前より似顔絵や似ない絵 (!) という人物画を描いているchappyさん。髪をモチーフに、「肌の色を加えると何でも顔に見える」という他作家さんの言葉をヒントに制作された作品。髪のスクラッチ表現に惹きつけられます。
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chappyさんの作品は、名刺サイズやハガキサイズ等の小品もたくさん展示されていました。小品でもスクラッチの特徴を存分に楽しめます。みんな違ってみんな素敵。
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モチーフは明確な何かというわけではなく、色、形、速さ、厚み、重さをゆったり味わえる作品です。
亀戸アートセンターさん名物のシルクスクリーンプリントも、お2人の在廊時には実施されています。ご希望の方は綿100%の素材のものを持ち込みの上、プリント代金をお支払い下さい。
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ギャラリーの運営と自身の作品制作、発表、と精力的に活動されている石部さんとchappyさん。ギャラリー運営で出会う作家さんに刺激をもらったり、今回の作陶の経験からもまた新たなインスピレーションを受けている様子でした。タイトル「Intentional failure」には、そういった予期しないことから生まれた結果を前向きに受け止める姿勢も表していると感じます。会場のポタリさんの雰囲気もすばらしく、1Fの陶芸教室や、火曜限定で販売されるカレーなど、とても気になるオルタナティヴ・スペースでした。
インテリアを含め、作品を飾ることのヒントにも触れることができ、観ているこちら側もクリエイティブな意欲が沸く展示です。ぜひ、足を運んでみてください。
展示風景画像:石部巧 chappy 2人展 「Intentional failure」
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