まだ美術検定の1級に挑戦してもいないのに、えらそうに聞こえるな、、、。
まず、美術検定ってなんぞや❓って話だけど、私も展覧会巡りをする過程でこの検定の存在を知ったので、にわか勢である。美術検定は一般社団法人美術検定協会が実施している試験で、2003年〜2006年までは「アートナビゲーター検定試験」という名称で実施されていたそうだ。美術検定1級合格者は「アートナビゲーター」として認定される。
一般社団法人美術検定協会は
美術と人々・社会をつなぐ「美術検定」の役割をより強化し、より広く普及すること
を目指して活動している団体だ (→美術検定協会について HPより抜粋) 。
美術検定の1級に合格したからと言って、必ずしもアート関係の就職に有利と言うわけではない。一応、現代アートギャラリーに正社員として所属していた身としての私見だが、ギャラリーの就職に一番必要なのは語学だと思っている、英語が必須でもう一言語、仏語 or 中国語 などが歓迎されると推察する。私は語学のレベルが低いので語学をがんばろう💦と思っているところだ。あとは意外かも知れないけど、意匠とか商標とか弁理士系の知識も歓迎されると思う。夢がない話かもしれないが、ギャラリーのオーナーになるのでなくスタッフとして働くのであればそういった、アート以外の事業でも通用する実務能力を英語でこなせることが非常に重宝されると思う。ディレクションやキュレーションをやりたい人は多いと思うが、それなら自分でギャラリーを立ち上げて実績を積むのが良い。
ではなぜ美術検定1級を目指すのか❓ 本サイトで展覧会の感想をつらつら書いている身としては、客観的に「これ持ってます」と言える物差しとして「美術検定1級」はやっぱり欲しい。また、1級ではなく他の級の合格証でも、提携している「応援館・応援施設」での入場料割引などが受けられるので、美術好きな人は取っておいて損はない (→応援館・応援施設 ページご参照) 。
1級の受験資格として2級が受かっていないとダメ🙅となっていたので、とりあえずやってみよう❗️となった次第。美術検定への挑戦は初めてだったが、2022年の11月に美術検定2級・3級を同時受験し、無事合格した。
毎年の合格率を調べてみると分かるが、3級はだいたい受験者の80%くらいが受かっている。合格レベルのイメージとしては、美術が好きで教科書で習う大まかな流れはもう分かっていて、YouTubeなどでも山田五郎さんのチャンネルを観て楽しんでるよ、って人なら無勉強でも受かるかも知れない。公式テキスト『【1・2・3級用】改訂版 西洋・日本美術史の基本』を1回読み終えただけの状態で 3級の公式問題集を解いてみると7割くらいは解けた感じ。6割正解で合格なので、この状態でもまぁ何とかクリアできたのでは❓と思う。
私が使った3級問題集はこちらです👇
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そんな感じだから2級もノリノリでページ開いてみたところ、、ぜんぜん解けなくて焦った笑。初回、1度公式テキストを読んで2級問題集を解いてみた時は正答率5割いけたかな❓ という結果だった。毎年の合格率も受験者のうち40〜60%のようなので、まぁまぁ難しいと思って良い。私が受けた2022年の合格率は57.3%だった。
念の為申し上げておくが、オンラインでの受験だからといってもちろんカンニング等の不正は許されない。ちゃんと勉強した上で臨んだ本番試験では、もう熟考とか見直し等はほぼせず、美術史問題は1問あたり25秒で解いていた。
(※氏名を隠すために🧠マークで加工)
👆美術史問題は全85問、うち、鑑賞の場を想定して解いていくタイプの活用問題15問の配点が2点、他70問が1点で合計100点となる。85問を35分3秒で解いていたので、1問あたりの解答時間は 2,103 (秒) ÷ 85 (問) = 24.7411、、、約25秒であった。なお、2級の美術史問題の試験時間は60分用意されているので時間的には余裕があるほう。
しかし、美術史問題は74点と8割も正答していないので、1級に向けて再勉強が必要。
2級には実践問題もあり、こちらは問題文を読ませ、考えさせる問いが多く、けっこう時間がかかっていた。
(※氏名を隠すために🧠マークで加工)
👆実践問題は全15問。配点は各2点。計30点。15問を18分34秒で解いていたので、1,114 (秒) ÷ 15 (問) = 74.2666、、、1問あたり約1分15秒で解いていた。実践問題の試験時間は30分だったので、やや焦り気味で解いた。
実践問題で出題された部分の公式テキストをどうやら完全に見落としていて、ノーチェックで臨んだので冷や汗ものだったが、出題文を読み込めば解ける問題ではあったので、8割の正答率であった。出題の詳細は控えるが、ううむ、本当に幅広くタイムリーに美術に関わっていないと難しい問題かも。現役で美術館等で働いている方などは余裕の問題かもしれない。
美術史問題と実践問題の両方で合格点をクリアしないと2級合格にはならないので、ほんっとうーに試験結果が発表されるまでドキドキしてた。受かっててよかった、、、。
今後はさらに難易度が高い1級が控えているが (毎年20〜30%の合格率というなかなかの難関) 、とりあえず、一発受験で2級合格 = 1級の受験資格Get❗️を考えている人を想定して、本番試験までに準備したことをシェアしようと思う。正直言うと、そんなにガリ勉はしていない。
基本の基本は美術検定協会が「公式テキスト」としている『【1・2・3級用】改訂版 西洋・日本美術史の基本』と『【1・2級用】続 西洋・日本美術史の基本』を読む、ということをした。
そう、あらゆる試験というものは「教科書」の内容から出題される。教科書 = 公式テキストの内容を隅から隅まで理解していれば解ける❗️ということで、11月の試験に向けて7月くらいから『【1・2・3級用】改訂版 西洋・日本美術史の基本』を1日2〜3ページを目安に読み始めた。
が、
あろうことか、7月の上旬にコロナ陽性になってしまい、2週間ほど療養。発症当初はスマホも操作出来ないくらい体調が悪かったので、そのまま1ヶ月くらいは何もしない癖がついてしまった。慌てて8月に公式テキスト読みを再開。
実は、10代のころの学校の中間テストや期末テストの歴史問題は「書いて覚える」方法を採用していた。それだと、時間がない時の詰め込みには効果的だが、まぁ忘れる。テストが終わった後に何も覚えていない。
そういう反省もあって、今回は一切書くことをやめた。読んで覚える。忘れていたら何回でも戻って読み直す。1日2〜3ページというと少なく感じるが、進んでいけば進んでいくほど「あれ、何だったっけ❓」が増えて遡って読むのでどんどんハードになった、、、。
前述のコロナ療養もあって、最終的には1日2〜3ページというよりもはるかに多くのページを駆け足で読み進める羽目に。その中でも一応気をつけていたことは、作家名だけが出現する部分も必ず検索して代表作の画像などはチェックするようにした。美術検定は西洋美術史だけでなく日本の美術史ももちろん出題されるので、日本の明治〜現代あたりの時代は文章の中に作家名の羅列が多くなって結局軽くチェックする程度になってしまった、、、。ちゃんと普段から色々な美術展に行っていればだいたいの作家と作品は一致するのかも知れない。
『【1・2・3級用】改訂版 西洋・日本美術史の基本』を読み終えたところで一度、2級の問題集を解いた。この時点で9月。
👆これはどうやら古いバージョンだったらしい。でも受かったから良しとする。
最新はこちら👇
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ここで前述の正答率5割という散々な結果に。次の公式テキスト『【1・2級用】続 西洋・日本美術史の基本』を読み始める。一度問題を解いて読み始めたからか、私はこの『続 西洋・日本美術史の基本』のほうが読みやすく、理解も深まったように思う。
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こちらを読み終えた時点で再度問題集を解く。同じ問題集なんだからそりゃ解答覚えているでしょ❓と思っていたのに、、、6割しか正解してなかった、、、。時はすでに10月。
まぁ、二度解いてダメな部分は相当ダメなので、その辺りを中心に読み直しをした。
結局した準備といえば上記のようなことのみだったのだが、すっかりスルーしていたテキストが1冊あった。
👇これは未入手、、、。これをやっておけば2級の実践問題は安心して解けたかも知れない。
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2級の試験結果を見直して間違っていた部分を確認するに、普通に理解が足りなかったところで、当時の歴史や社会背景、同時期の違う地域で何が起こっていたかなどの部分がどうも弱いように思う。試験が終わった後に読んだ『1冊で学位 芸術史』を試験前に読んでおけばよかったなー、などと思った。あと、日本が弱い。日本人なのに。
試験勉強を7月に始めようとして、結局本腰を入れたのが8月。3ヶ月ほどのゆるゆるとした通読がメインなのでガリ勉をしたわけではない。結論を言うと公式テキストの2冊と最新ではない問題集1冊でもクリア出来たことは出来た。合格だけを目指すなら4日の集中勉強で取得したという動画もあるくらいなので、それで良いのかも知れないが、本来私が目指しているのはしっかりした理解である。
1級はさらに厳しそうだから、そろそろ試験対策勉強を始めようと思う。試験用でなくても常に美術関連の本を読むことが重要なようにも思う。
美術検定に関連した話題があればまた雑記に書こうと思います。
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