YOKEY / ヨーキー 個展
「VENUS GARDEN」
会 期:2024年4月12日(金) - 2024年4月21日(日)
時 間:weekday 12:00-16:30 / holiday 12:00-18:00
休 廊:月火
場 所:SUPER PERSONAL SHOWCASE
展覧会URL:
https://www.instagram.com/p/C5XUfRQvmg8/?img_index=1
田端にあるギャラリー WISH LESS のオーナーでもある陶芸作家、YOKEY / ヨーキーさんの個展に行ってきました。
WISH LESS に伺った時も YOKEY さんの作品を拝見したことがあったのですが、今回のようにまとまった数を見たことがなかったのでとても楽しみでした。
陶芸窯も購入されたそうで、作品制作への真摯な気持ちがより現れたシリーズとなっています。
個展のタイトルは「VENUS GARDEN」です。
人のような、動物のような、宇宙に漂う生命体のような、色んな形が見られますが、これらが「VENUS」、なるほど女神❗️
なぜかすっと納得できました。
左:《VENUS》 中央:《VENUS》 右:《VASE》
左:《VENUS》 右:《VASE》
左:《GODDESS》 右:《VASE》
都会を歩いていてもふっと遭遇する自然の中に、ひょっとしたら太古からいる霊体のようなものを夢想したらきっとこんな形や色をしているのだろうなぁ、という「納得」です。
いや、こればっかりは理屈じゃなく、伝え方が難しい、、、。
ステートメント
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土を練り、積み上げ、カタチを作り上げる行為は、生命の再生といった秘密の儀式に通じるものがあり、土に命を吹き込む感覚で日々制作しています。出来上がった立体作品は、土偶のような愛らしさを持つ反面、揺るぎない強さを象徴する現代の女神にも喩えられ、常に私たちを見守ってくれます。強さと優しさに満ち、見ているだけで癒され、拝みたくなる風貌。これこそが私の求める作品の原点です。
女神像の顔には、目もしくは口のような穴があり、見る角度によっては悲しげであったり、反対に笑っている様にも見えます。これは人間の内面にある陰と陽が複雑に絡み合う様を表現しています。
人間の叡智を超え、自然に委ねられた土から誕生する新たな息吹をぜひ会場で楽しんでいただけたら幸いです。
YOKEY (ヨーキー)
陶芸作家。ふくよかな女神像や動物をモチーフにした作品を制作。
概念にとらわれない自由で可愛らしいフォルムには、遊び心と愛情が落とし込まれている。
北区・田端のWISH LESS galleryのオーナーでもある。
(会場掲示のステートメントより)
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あああ、このステートメント⬆️に書いてあったー。これですこれ、言いたかったのは。
「土偶のような愛らしさを持つ反面、揺るぎない強さを象徴する現代の女神にも喩えられ、常に私たちを見守ってくれます。強さと優しさに満ち、見ているだけで癒され、拝みたくなる風貌。」
ずらりと並ぶ、そんな存在たち。
ステートメントによると、顔にはそれぞれ穴があいているとのことですが、、、
《VENUS》(部分拡大)
おお、確かにあります、穴。
何か、言霊のようなパワーが発せられる出口にも見えるし、良い気も悪い気も吸い込んでしまうような無限への入口にも見えます。
見た目がとても愛らしいのに、とてつもない空間がその内に広がっている、、、そんな畏怖の念も感じとってしまいます。不思議だ、、、!
左:《VENUS》 中央:《VENUS》 右:《GODDESS》
上:《VENUS》 下:《VENUS》
左:《GODDESS》 中央:《FAUN》 右:《GODDESS》
《FAUN》(部分拡大)
《GODDESS》(部分拡大)
《FAUN》
《STAR VENUS》
《STAR VENUS》(部分拡大)
左:《VENUS》 右:《STAR VENUS》
《STAR VENUS》
《VENUS》
わーーー逆光💦
きっと女神様のパワーが写ってしまって、もやっとしているのだわ、そうだわ。
(こういうことがあるので、現地での鑑賞をお勧めします。実物は100倍ステキです⭐️)
縄文土器のような、神々しい感じ、伝われーーー。
《TWIN VENUS》
《TWIN VENUS》(部分拡大)
《TWIN VENUS》(部分拡大)
《VENUS》
《VENUS》(部分拡大)
《VENUS》
《ANGEL》
《GODDESS》
《VENUS》
ぬわーーー。
精霊がおる、、、❗️
「トトロいたもん❗️」みたいな遭遇感。
左:《FAUN》 右:《FAUN》
左奥:《GODDESS》 右前:《TWIN VENUS》 右奥:《FAUN》
《FAUN》
なんと言ったら良いのだろう。まるで鉛筆でデッサンしたような、そんな「素朴な表現」の雰囲気も感じるんですよね。描いている、そのストロークを感じる、と言うか。
ギャラリーの運営とアーティスト活動の両立、というのは本当に忙しいと想像しますが、「表現したいものがある」「それを表現する」という作家の原点とも言える純粋なパワーを、勝手に私は感じ取っていました。
まだまだ続きます。
とても実用的な小皿等。
YOKEYさんのパートナーであり、同じくアーティストとして活動をしながらWISH LESSを運営しているロブ・キドニーさんとの共作です。
絵付けがロブさん。
中央:《YOKEY x Rob Kidney Sake set》
手前:《YOKEY x Rob Kidney Mini Plate》
《YOKEY x Rob Kidney Mini Plate》
《YOKEY x Rob Kidney Mini Plate》
かわゆ。
程よくストリートっぽさがあって、そこに魅力を感じます。
食材は何があうのだろう? これに醤油をさして刺身とかお寿司とかを食べると、かっこいいかもしれない。
カラフルなスイーツももちろんあいそうです。
左:《VENUS》 右3点:《ANGELS》
左:《YOKEY x Rob Kidney Cup》
右:《YOKEY x Rob Kidney Vase》
私個人の最近の関心事として、作家が対象を表現するとき「抽象衝動」からとか「感情移入衝動」からなどを考えたりしているのですが、創作にはそれらとは全く異なる源泉もあるよなぁ、と改めて考えさせてくれる展示でした。
どういうことかと言うと、表現に明確な対象がある = モデルが実在する、というのではなく、人間が内側で感知しているもの、確かに感じるがそれはどういうものか、「これです」とはなかなか取り出しにくく、書き記すことも難しく「不立文字」という性質を備えているようなものを、作家がシャーマンのようになってインスピレーションとして受け取って表現しているのではないか、というような類のものです。どこかのキワで点や線がぴたりと合い、そこで手を止め、形として取り出す。
こうやって書くとスピリチュアルじみて聞こえますが、創作とはそういうアプローチのほうが自然であるような気もします。文字にできない、思考のみでは伝わらない。手を使い、自分の内側と、自分の外側にあるもの=土とか空気とか、それらとの会話を成立させる。
焼き上がったものの半分はボツになるそうです。これは、陶芸作家の方ならきっと分かるのか、ある程度はそういうものなのでしょう。作家の手を離れた焼成という工程には、温度、湿度、空気、等々、どうにもならない偶然のような要素が入ります。それでも、出来上がった作品には偶然ではなく「必然」のようなオーラが加わる。どこかのキワで点や線がぴたりと合うような、そういう何かがあるように感じるのです。人間が、土と水と火と空気の間に入り、臨界点で像を結ぶ。
そもそも、女神の姿、なんて私は知らないはずですが、YOKEYさんの作品を見れば、これは女神の姿形だ、とすんなり受け入れることができます。
この感じ方は、多くの人にも共通しているのかもしれません。YOKEYさんの作品を撮っている最中にも数点が購入されていき、どれかはお迎えしたい❗️ と思っていた私は気が気じゃなかったです苦笑。
あ、希望の作品は無事、迎えられそうです。焦ったー💦
どれを手に入れたかはまたの機会に。
ステートメントに「常に私たちを見守ってくれます」とあるように、これらの存在からパワーをもらえ、不思議と元気になる展示でした。ぜひ、足を運んでみてください。
展示風景画像:YOKEY 個展 「VENUS GARDEN」SUPER PERSONAL SHOWCASE, 2024
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